若き日の山15 初冬の金峰山 ― 2025年11月23日 21:31
1977年の今頃、メインルートではなく、その名前に惹かれて水晶峠を経由して、金峰山に登りました。相棒と2人です。たぶん甲府駅から黒平(くろべら)というところ(登山口)までタクシーで行きましたが、タクシーの運転手も道がよくわからず、地元の人に聞きながらなんとか到着しました。ただ、迷っている間もメーターが回っていたので、ぼったくられた感じが残っています。
ともかく、誰とも会わない道を歩き、水晶峠を越えて、当時はまだ使用可能だった御室小屋で1泊しました。明け方、かなり冷え込んで、食料の大根が凍っていたのを覚えています。
冷え込みが強いだけあり、空はすっきり晴れ渡っています。何時ころか忘れましたが、金峰山頂上(標高2595m)に着いたときも雲一つないいい天気です。上部に雪をまとった南アルプスをこの距離でこれほどきれいに見たことはありません。最初の写真は、偏光フィルター無しで撮影したものです。フィルムはエクタクロームだったと思います。
偏光フィルターを装着して撮影すると、さらにコントラストが付いてすっきりと写ります。太陽の方向が、フィルターの効果が一番出る角度だったようです。左に白根三山、中央に仙丈・甲斐駒、そして右の奥には中央アルプスの山並みも明瞭に見えます。甲府盆地には少しもやがかかっているので、麓から見上げても南アルプスは霞がかかって見えると思います。
目を少し北に向け、手前に瑞牆山、遠景左に八ヶ岳、右には遠く北アルプスの山々も認識できます(爺ヶ岳や鹿島槍ヶ岳など後立山連峰)。
富士山は下のような感じです。上には雲はありませんが、下にはありました。
この後は、たぶん富士見平の方に下山したと思います。なかなか気持ちの良い山行でした。
富士山の野鳥 コマドリ ― 2025年08月29日 22:10
野鳥の中で、私はコマドリが一番好きなのだと思います。重い足で山を散策中にそのさえずりを聞いた時、あるいは実際にその姿を見たとき、うれしさが一気に込み上げます。野鳥撮影を始めて最初に見たのはもう15年以上前、富士山の少し奥まったところです。標高は1500~1600mくらいでしょうか。少し離れているところからもさえずりが聞こえました。三大鳴鳥(ウグイス、オオルリ、コマドリ)と言われるだけあってよく響き渡ります。その鳴き声の方向に静かに近づいてみると1羽動くのがわかりました。カメラで覗くと、子育てをしているらしく、嘴に虫をいっぱい挟んでいます。虫の苦手な方は下の写真をクリックしないで下さいね。
当時のカメラは初心者向けデジタル一眼、レンズは70-300の安いズームレンズであり、テレコンをつけたのでマニュアルフォーカスとなり、当然手持ち撮影なので、きれいには撮れていません。何枚か撮影する中、移動しないので巣は近いのでしょう。そっとその場を離れました。お邪魔してすみません。
その後、富士山の同じ標高くらいのところ何ヶ所かでコマドリを見ることができました。カメラはキャノンだったのですが、まずレンズを単焦点の300mmに変えました。歩き回っての手持ち撮影なので、重いレンズは無理でした。F4の明るさになったので、1.4倍のテレコンをつけてもオートフォーカスが可能でした。(ただ、いつも合焦してくれるとは限りません)
次に、カメラ本体を変えました(7D)。背景が悪くても、ともかく出てきてくれれば撮影です。
登山道を歩いていた時に左の谷からさえずりが聞こえてきたので、そちらにシカ道を踏み分け、しばらく待つといいところに出てきてくれます。今は、マダニが怖くてなかなか踏み分けられません。
下の写真は、車道を歩いていた時、すぐそばで鳴き声が聞こえたので様子を見ると、目の前に出てきてくれました。背景も光線も条件が良くありませんが、つぶらな瞳が見えると、うれしくなります。この個体、すごく太っています。写真のコマドリはすべて雄です。
上記以外の場所でも撮影できましたが、笹枯れが進んでからは、あまり目にしなくなりました。
富士山遊歩道散策 ― 2025年06月08日 22:48
富士山の遊歩道を散策しました。この場所は約1年ぶりです。ここを最初に訪れたのは2008年でした。野鳥の撮影を始めたころで、富士山の地図を見て林道や登山道、小径があればあちこち歩いたものでした。環境や植生はかなり変わりました。まず、笹がほとんど姿を消しました。
昔はカメラと望遠レンズを持って歩いたものでしたが、今回は、年のせいでそれも億劫になり、写真はすべてスマホ撮影です。以前はこの季節、下草が伸び始めていたと思いますが、ほとんどありません。歩きやすいと言えばそうなのですが、富士山の樹林帯らしくありません。少し先に進むとバイケイソウが目立ち始めます。
バイケイソウは道にも生えていました。名前は、花が梅に似て、葉が卵(鶏卵)の形に似ていることに由来するとのことです。なお、この植物には毒があり、シカも食べないということです。笹や下草が減ったのは、シカの食害もあるかもしれませんが、気候変化や木の成長により太陽光が届かなくなる、ということも原因としてあると思われます。
木々の間から富士山の頂が望めました。
また、キベリタテハがたくさん飛翔していました。
さえずりを聞いた鳥は、メボソムシクイ、ミソサザイ、オオルリ、キビタキ、ジュウイチ、ルリビタキです。
土曜日でしたが、散策中は誰にも会いませんでした。もちろん、熊と出会うのは嫌なので、鈴を鳴らしながら歩きました。本当に効果があるかどうかはわかりません。
若き日の山2 ― 2025年05月15日 17:39
前回の「若き日の山1」の八方尾根を下山した後、友人と2人であっちこっちを回って帰りました。まず、展望がいい、と山のガイドブックに紹介されていた入笠山に行ってみようと林道を走りましたが、途中で積雪が多くなり、そこで断念しました。さすがに、4月に入ったばかりでは、2000m近い山の山腹は残雪が豊富でした。途中で、夕日が沈むころに見た八ヶ岳(横岳)の夕照が下の写真です。地層というか、岩壁の構造というか、その雪の付き方が何となく、ヒマラヤの写真(ローツェだったかな)に似ているように見え、望遠レンズで撮影しました。古いリバーサル写真なので多少色味が変わっているかもしれませんが、記憶ではこんな色でした。なお、この山行(旅行)で使用したフイルムは、エクタクローム64だったと思います。
翌日は、夜叉神峠方面に登ってみました。トンネルの手前の駐車場までは、車で行けたように思います。夜叉神峠から、さらに杖立峠あたりまで歩いたような気がします、たぶん。下の写真は、夜叉神峠あたりで北岳を撮影したものと思います。見よう見まねで、偏光フィルターを付けて撮影したらしく、空の濃度が上がり、雪山がくっきりと写っているというか、やり過ぎですね。
そのあとは、富士山を撮影に富士五湖界隈を車で回りました。車中泊をして、夜の山中湖から富士山と月(ほぼ満月)を撮ってみました。白川義員の「アマダブラムと月」を思い浮かべながら、場所と時間を調整して、撮影しました。ダイヤモンド富士のようにはなっていません。右上の剣が峰のあたりに、当時はまだあったレーダードームらしきものが突起として認められます。
山登りの練習とものまね撮影の旅でしたが、若い時だからできたことだと思います。50年近い昔の話なので、記憶違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。なお、リバーサルのスライドからのデジタル化のやり方については、いずれあらためて書きたいと思います。
富士山麓の野鳥 ― 2025年05月02日 22:25
野鳥の写真を撮り始めたのは2007年頃からで、富士山麓方面を主なフィールドとしていました。当時は、まだ笹原、藪、下草も多く、人工林も含めて森林が豊かだったと思います。公園と言えるところも、なるべく自然が残されるように管理されていたと思います。
春に最初に声を聞く夏鳥(渡り鳥)として、センダイムシクイとコサメビタキを挙げることができます。そしてオオルリやキビタキ、クロツグミが続きます。
2013年、富士山が世界文化遺産に登録されました。そしてインバウンド。これらが理由かどうかはわかりませんが、大規模な伐採や間伐、公園化、下草刈り、笹枯れなどが進み、野鳥が急激に減少したように思います。自分も含めたバーダーの増加も原因かもしれません。もちろん、数が減ったのではなく、場所を変えただけかもしれません。そうあってほしいです。
昔の撮影ですが、写真はノジコです。右が雄で左が雌と思われます。昔と同じところを歩いても、ノジコの姿を見ることが稀になってきました。ノジコは日本でのみ繁殖すると言われており、特に本州の中部と北部だけのようです。
春に最初に声を聞く夏鳥(渡り鳥)として、センダイムシクイとコサメビタキを挙げることができます。そしてオオルリやキビタキ、クロツグミが続きます。
2013年、富士山が世界文化遺産に登録されました。そしてインバウンド。これらが理由かどうかはわかりませんが、大規模な伐採や間伐、公園化、下草刈り、笹枯れなどが進み、野鳥が急激に減少したように思います。自分も含めたバーダーの増加も原因かもしれません。もちろん、数が減ったのではなく、場所を変えただけかもしれません。そうあってほしいです。
昔の撮影ですが、写真はノジコです。右が雄で左が雌と思われます。昔と同じところを歩いても、ノジコの姿を見ることが稀になってきました。ノジコは日本でのみ繁殖すると言われており、特に本州の中部と北部だけのようです。

















